安生の前田襲撃事件について思う(1999.11) いくら前田が元レスラーといえども、リング上ではなく、地面に 後頭部を うったら非常に危険です。過去にいざこざがあったとしても、 いくら 何でも今回の件はやりすぎでしょう。下手をすると死んでいた かもしれません。 襲撃するにしても、程度というものがあるはずです。 それに計画的でないという話ですが、むしろやるとしたら前田が 現役中にリング内へ乱入し、襲撃すればいいのです。 そうすればその後試合が組まれるでしょうから、リング上で決着 をつければすむことです。 これではまるで子供の喧嘩です。 今回の件は格闘家として以前に、人間的に問題のある出来事だと 思います。 どっちがいい・悪い以前に、前田も安生ももっと、いい意味で 大人になるべきです。前田の方も単に法的な措置をとればいいと いうものではないでしょう。 とるのはかまわないが、それだけでは根本的には決して問題は 解決しません。 選手もファンも闘いに関する考え方は様々です。しかし、その 状況を双方がいがみ合っているだけでは、格闘技全体の発展は望め ません。 話し合いで解決できるのなら解決し、闘えるのならリング上で ぶつかり合えばお互いの間に何かが生まれることだってあるで しょう。それで解決しなければマスコミを使って訴えることだって できたはずです。 しかし、今回の件のように「殴られたから、やり返した」などと いう幼稚な喧嘩をしているようでは、未来の格闘技界を担う子供たち が「あのようになりたい」と思うでしょうか? あるいは一般的なファン(今回のような事件をいち早く知るファンは 例外として)が、「あのような人たちの闘いを見たい」と思うのでしょう か? 仮にその闘いを見たとして感動がうまれるのでしょうか? 安生も前田も目を覚ますべきだと思います。 感動なきところに猪木イズムはなく、格闘技界の発展はない。 闘魂という名の芸術は、リング上でのみ表現可能であり、 路上では決して表現はできないのである。