UWF最強幻想

 UWFは、それまでのプロレスを否定し、ルールを形式化し、
プロレスの競技化をはかったという意味で、その功績は大きい。
 プロレスファンの中でショーマンシップ重視の者は、UWFを
否定するが、強さを求めるプロレスファンの指示を得たことは
否定できまい。
 要するに同じプロレスファンでも、全く違うタイプが存在する
のである。

 しかしながら、このUファンの中には、UWFの実力を過信し、
過大評価する者もいる。
 しかし、考えてみよう。

いったい、いつUWFの選手が最強になったんだ?


 UWF最強だった藤原は、猪木に負けた。
 前田も高田も船木も、自分の団体でトップに立ったに過ぎない。
結局、自分の団体を守らねばならないため、井の中の蛙に終わって
しまう。
 私が、ヒクソンに惨敗した高田を評価しているのは、井の中の蛙
ではなかったということだ。

 佐山も天才と言われているが、それは彼の頭であって、決して
彼の実力が最強であったことはない。
 もちろん、佐山にしろ、前田にしろ、船木にしろ、強さを追究し、
創始した団体が現在まで続いている功績は大きい。

 しかし、高田が負け、前田が負け、船木が負け、UWFの最強
神話は現実的にも崩壊した。
 この現実を否定的に受け止めてはいけない。もう、自分の団体に
閉じこもり、興行のことばかり考え、団体同士でいがみ合う時代は
終わったのだ。

 桜庭が高田を、田村が前田を、近藤が船木を実力ではすでに超えて
いる。もはや、その団体内だけの最強という偽の看板は不要だ。
今やVTルールやそれに類似したルールでの個人闘争の時代に入って
いるのだ。
 前田も船木も、もっと頭を柔らかくし、団体の枠組みにこだわらない
ように努力すべきである。

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