− PRIDE16 −

○ゲーリー・グッドリッジVS谷津嘉章× 1RTKO
 谷津は前回から全く進歩なし。いや、前回の試合より、ひどい試合内容だった。
 フロントチョークが決まる前に、セコンドにタオルを要求するお粗末ぶり。

 猪木イズムを誤解し、否定する奴にロクなヤツはいない。こんな奴を出場させる
ぐらいなら、他の選手にチャンスを与えるべきだ。実に無意味な一戦であった。

○アスエリオ・シウバVS山本憲尚× 1RTKO
 こいつ(山本)も、実力がないくせに小川を侮辱している。強い者を見抜く目、
そしてその物から学ぶ心構えのない奴が強くなれるわけがない。
 11秒の最短記録で、何もできないまま負けてしまった。
 いくら藤原敏男に学んでも、センスや謙虚さがない奴はダメだってことが
分かった。

×松井大二郎VSムリーロ・ニンジャ○ 3RTKO
 この試合は、かなり動きのある面白い試合だった。松井の守りが堅いが、
スタンドでもグラウンドでもムリーロがやや有利。ムリーロは、かなりいい選手だ。
ペレやアスエリオよりも期待できる。ちなみにニンジャは、リングネーム。

 しかし、せっかくのいい試合が最後に台無しになった。ロープから半身が
出てしまった松井がブレイクだと思って振りかえったところを蹴られてしまい、
もう一発の蹴りでストップがかかってしまった。
 呆然とした松井は、その後にノーダメージをアピール。このまま続いても
ムリーロが勝っただろうが、ヘボレフェリーのせいで、後味の悪い終わり方に
なってしまった。

×ガイ・メッツァーVSヒカルド・アローナ○ 判定1−2
 倒れないメッツアーにアローナは大苦戦。2Rでは、メッツァーのハイキックが
決まるが、倒れながらも、その後足関節を狙い、なんとかアローナはもちこたえる。
 3Rでアローナがテイクダウンを奪い、それが判定勝利につながったようだが、
メッツァーはほとんどダメージを受けておらず、あれではポイントにはならないと思う。

 私はややメッツァー有利だと思ったが、引き分けでいいと思う。
 マストシステムはいい加減、廃止してほしい。無意味に敗者が増えるだけだ。

○セーム・シュルトVS小路晃× 1RKO
 最初に小路は両腕を差して、シュルトからテイクダウンを奪うが攻めきれない。
その後は、小路は防戦一方で、ロープ際へ追い込まれ、打撃でKOされてしまった。

 今回の小路にも失望した。なぜなら、勝てる可能性のある試合を技術以前の
気持ちで負けてしまったからだ。
 間合いを詰めて組めば、グラウンドで何とかなるかもしれないのに、中途半端な
間合いで結局KOされてしまうとは情けない。どうせ打撃を食らうのなら、恐れずに
距離を詰めるべきだ。
 要するに負け方が悪いし、あの闘い方では勝機は全くない。腰の重い選手なら
ともかく、最初にテイクダウンを取っているのは小路の方なのだから。

○ドン・フライVSギルバート・アイブル× 1R失格
 アイブルは、故意としか思えない顔面を掴んでの目潰しをするわ、何度注意されても
ロープを掴むわで、実にひどい闘いだった。おまけに、故意じゃないとしつこく抗議
する悪態ぶり。何度もロープを掴んだくせに、何を言っているんだか・・。
 内容的にもフライは勝っていたし、アイブルのような奴はもう出場しないでほしい。
実に不愉快な奴だ。

×マーク・コールマンVSアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ○ 1R腕ひしぎ
 意外にもコールマンはいきなりタックルにはいかず、スタンドで組み合っての攻防
から、打撃戦へと移行する。おまけにコールマンは、打撃でやや押される始末。
 ノゲイラがハイでバランスを崩し倒れ、そのままコールマンがインサイドガードに。
なんかしょっぱい試合展開だが、これでようやく試合が始まった。(笑)

 コールマンのアルティメットハンマーで猛攻かと思いきや、ノゲイラは長い足で
防御し、常に動いて、アームロックや三角締めを狙う。決して膠着状態にはならない。
まさに、これぞ柔術家の闘い方という感じだ。下になると足で相手選手の体を挟み、
パスガードとパンチを防ぐだけの中途半端な技術の持ち主が柔術家も含めて多い中、
ノゲイラの技術は高く評価できる。

 左腕をロックしようとしているノゲイラに対し、コールマンは足をサイド
からこえて、パスガードをしようとしたが、反対側の左手をつかまれ、
三角締めががっちり決まってしまう。
 苦しくなったのか、コールマンはノゲイラを強引に持ち上げてしまう。ノゲイラは
持ち上げられたまま、腕ひしぎを決め、コールマンはタップ。

 コールマンのようなプロレスラーでないアマレス出身の選手は、
関節技の技術があまりにも未熟だ。確かにコールマンは強いが、負ける時は
あまりにもあっさり負ける。防御の技術ができていないからだ。
 今回の闘いは、まだまだ頂点にふさわしいとは言えない。あれでは初期UFCの
ホイスの闘い方からあまり進化していないレベルだ。ただし、グレイシーの体重では
ヘビー級の選手には苦しいだろうし、桜庭のようにインサイドガードを避ける戦法で、
打撃に強い選手が相手だとノゲイラでも苦戦するだろう。

 これが藤田や小川なら、関節技もできるので、そう簡単にはいかないと
思う。ヒーリングもかなり技術的に優れている。
 ただ、このレベル同士の闘いになると、実際に闘ってみないと予想は難しい。
可能性として、藤田戦の実現に期待したい。
 だが、グラップラーなら、ノゲイラレベルがもっといるぐらいレベルが高く
なっていかなければならないと思う。強さだけでなく、膠着しない技術レベルは
今後のVTの人気の持続に関わってくるのだから。