PRIDE改造論 第1号(2001年5月)

(1)引き分け廃止反対案

内容はココ


(2)禁止技の解禁

1.四点接地時の頭部への膝蹴りはOKか?

 確かに危険ですが、亀状態という非実戦的な体制になら
なければよい。ガードポジション、または猪木−アリ状態に
なれば問題はありません。(要するに現状維持)


2.ヒジ撃ちは禁止すべきか?

 より危険な頭部への膝蹴りが解禁されているのに、ヒジ撃ちを
禁止する理由は全くないと思います。
 ハイキックや膝の方が威力は大きいのに、ヒジ撃ちだけ危険視
するのはおかしい。
 そもそもキックやムエタイで認められている技術が使えないの
は、最強を決めるルールとしては適格とはいえません。


3.頭突きは禁止すべきか?

 プロレスで使われていることから、当然OKにすべきです。
ダイビングヘッドバッドでも大丈夫なぐらいですから、危険性は
あまりない気がしますが・・。(ダイビングヘッドバッドの場合は、
手加減などできませんから)
 頭突きの得意な選手が、最強を争えないのはおかしいです。


4.全般的に

 実戦性を重視するのならば、できるだけ解禁すべきです。
 安全性に関しては、選手の技術の向上で対応できます。
鍛えれない部分を考慮に入れる必要は確かにありますが、
顔面がOKでしかも最も威力のある蹴り(パンチの約3倍の威力)が
OKになっていることも考慮に入れると、ヒジや頭突きが絶対ダメな
理由はないでしょう。

 ただし、ヒジはキレやすいというデメリットがありますが、それを防御
できなかった選手が負けなのは当然のことです。

 あと、UFCや他の外国の大会で、ヒジや頭突きがほとんど禁止に
なっているため、交流を考えた技術の統一という点では、禁止の意味は
あるでしょう。しかし、それならば、四点接地時の頭部への膝蹴りを
解禁するのもおかしいという話になります。
 つまり、四点接地時の頭部への膝蹴りを解禁できるのなら、ヒジや
頭突きを解禁できないのはおかしいわけです。


(3)判定基準

 ジャッジ3人が2−1で分かれた場合、2ポイントの選手を勝ちに
するのは納得がいきません。
 3−0(マストシステムを廃止する場合は2−0)以外は、引き分けが
望ましいですが、1人不可解な判定をするジャッジがいるとそれだけで、
残りのジャッジが正当な判定をしても、2−1になり引き分けになって
しまいます。
 そこで、ジャッジを4人にすれば、2−2の場合のみ引き分けで、
3−1と4−0の場合に勝敗を決定することができます。
(つまり2ポイントで勝利ではなく、2ポイント差以上を勝利の条件
 とする。)

 マストシステムで、きわどい判定になった時は、
「このまま試合が続いたら、どちらの選手が勝つか?」という主観的な
判断をするしかないと思います。
 (1)で述べたように完全に客観的な判断は不可能ですから。

 あと、判定で軽い選手を有利にするのはおかしいです。
技術や相手に与えるダメージを競うはずの格闘技で、戦う前からの
もともとの条件(この場合身体的条件)を考慮に入れるのは、強さ
を争そう競技とはいえません。

 「体重が軽い選手は不利な条件で、互角に戦ったから勝ち」という
考えだと思いますが、ならば「体重の重い選手は、重い体重を支えな
がら戦ったから勝ち」とか、「体重の重い選手は、スピードで不利だ
から勝ち」という考えだってできてしまいます。
 さらに条件の違いを考えるならば、「身長の低い方が勝ちなのか?」
「リーチが短い方が勝ちなのか?」ということにもなります。
 よって、判定に体重を考慮に入れるのは、不合理といえます。


(4)ブレイク基準

 とりあえず、現状のように膠着状態が続いた時で、OKだと思います。
 主観的になるのは仕方がなく、状況に応じた判断がベストだと
思います。
 機械的方法として、時間でブレイクするのでは、よりスポーツ的で
あっても、実戦的とはいえませんし、興行論の見地からしても、攻防の
最中にブレイクでは興ざめしてしまいますから。


(5)トーナメント

 興行論からすれば、トーナメントは必要です。
 しかし、最強を決めるという見地からすれば、明らかに不要です。
 仮にやるとしても、2年に1回で、16名で3回
(1回戦、2回戦・準決勝、決勝)に分けるのがいいのではないかと
思います。(最後の1回は、決勝戦をメインにして、通常の興行のように
ワンマッチを並べる。)
 できれば、4回が理想ですが・・。

 2回では無理がありますし、途中で怪我で戦えない選手がいれば、
興行論・勝負論のいずれの見地からしても、失敗してしまう可能性が
あり危険です。


(6)チャンピオン制度

 タイトルがかかった試合の方が面白いし、選手も緊張感を持つこと
ができます。
 ただ、プロレスのように不自然かつ不公平に挑戦権を与えるのも
白けます。
 タイトル戦と同時に、挑戦者決定戦(ただしワンマッチ)も同時に
やった方がいいです。(例えばミドル級チャンピオンに桜庭がなった
としたら、桜庭と戦いたがっているビクトーと、ビクトーより強いと
言っていたブラガを戦わせる等。)
 選手にとっても、いつチャンピオンと対戦できる分からない状態で
参戦を続けているよりも、この試合に勝てば次に戦えることが分かった
方がモチベーションは上がるでしょう。

 トーナメントとは独立にすればいいと思います。新日のG1や
ベストオブスーパージュニアでそうしているように。
 ただし、チャンピオンは不参加で、優勝者が挑戦するという
のは止めた方がいいです。それですと、トーナメントが単なる
大規模な挑戦者決定戦に成り下がってしまいます。
 ベルトとは別にトロフィーを用意し、チャンピオンは2冠を
目指せばいいと思います。
 チャンピオンがトーナメントで負ければ、次の年に優勝者を
挑戦者にします。

 ランキング制に関しては、変動が大きいので作ってもあまり
意味はないと思います。


(7)階級制

 階級分けはぜひとも必要です。体重に関係なく最強を争える
時代はとっくに過ぎています。体重差が大きい試合をするのなら、
それこそグレイシーが言うように時間無制限、判定なし、レフェリー
ストップなしでないと、軽い体重の選手が勝つのは難しいでしょう。
 ただし、ミドル級以下の選手でも、自分から希望した選手に関してのみ、
無差別級の試合としてヘビー級の選手と戦えばいいと思います。

 確かに体重の軽い選手が勝つことはあります。しかし、それは実力差
が大きい(軽い方の選手の方がかなり強い)場合です。
 最強を決める上において、あるいは技術を競うという点においては、
体重差を(判定の考慮に入れるのではなく)マッチメイクの考慮に入れる
必要があります。
 プラスマイナス10kgが限度だと思います。
(もちろん10という数字に明確な根拠はなく、あくまでも目安)
 ただし、100kg以上の体重は選手層の関係もありますので、無差別級
として扱えばいいと思います。

 分けるといっても、K−1のように無差別級とその1つ下(ミドル級)
で充分だと思います。あまり体重が軽いと最強という見地から離れます
ので、軽い階級は他の団体に任せればいいと思います。
(行うとしても、興行数を増やす必要がありますし)


○総論

(1)引き分け廃止反対案
(2)禁止技の解禁
(3)判定基準
(4)ブレイク基準
(5)トーナメント
(6)チャンピオン制度
(7)階級制

(1)>(2),(3),(7)>(5),(6)

 (1)は、ぜひとも変えるべく検討してほしい案。
 (2),(3),(7)は、できれば検討してほしい案。
 (5),(6)は、実際に試してみないとわからない興行論的な
案ですので、流動的な案です。((4)は現状維持)